交通広告は昔、そのほとんどが告知広告としての意味と、出資者としてのステータス的要素、「その場所」「その駅」に掲出することで得られる信用などであった。ところが、時代が変わり情報化が進む現在、交通広告の意味合いにも変化が起こりつつあると感じる。
WEB広告などにおされ、あり方も変化してきている交通広告だが、その中で最近私が改めて注目したのは、世に出て久しいラッピング車両や屋外広告である。
先日、屋外広告をご掲出いただいたクライアントは、様々な広告展開(WEB広告を含む)を行ってきた中、それらのインパクトに欠ける点を以前から問題視していたらしい。それは、PCやスマートフォンの普及によって世間に広がっているWEBやSNSなどの表現が、動画の投稿や鮮やかな色彩表現も、モニター内での表現であるということ。世間ではWEB広告に多額の費用を掛かけ、画面上のインパクトを模索しているが、同じ事をしても同業他社より一歩前にでたアピールはなかなかで難しいのではないか? という事だ。
ではどうすればよいか? 初めて見てインパクトのある広告表現とは何だろう? こんなことを考えていた折に、ふと近隣に掲出されていた屋外広告から強いインパクトを受けたというのだ。掲出中であったクライアントを訪問し「あの屋外広告を譲ってほしい」と直訴したとの事。小さな画面では感じ得る事が不可能な実物の大きい広告表現こそが新鮮さをアピールする打開策となるのではないか? と感じたそうだ。
その話を聞いた時私が思ったのが、屋外広告やラッピング車両などの大型媒体のインパクトこそ、WEB広告やSNSには無い「実物の看板」の魅力ではないか? ということだ。(もちろんその媒体に見合った予算が必要となるが・・・。)デジタル媒体や通常の交通広告をおろそかにする訳ではなく、様々なメディアを展開する中で最後のひと押しとなる、その魅力を再認識する出来事であった。